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歯周病は、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。
昔は「歯槽膿漏」と呼ばれることが多かったのですが、今では「歯周病」という呼び方が一般的になっています。
若いときに歯を失うのは虫歯が原因であることが多いのですが、40代を過ぎてから歯を失う最大の原因はこの歯周病です。
歯周病には痛みなどの自覚症状がほとんどありません。
そのため、気が付いた時にはすでに手遅れになってしまっていることが多いというのが、歯周病の最も恐ろしいところです!(歯周病はサイレントキラー「静かな殺し屋」とも呼ばれています!)
歯周病は人類史上最も感染者が多いという理由でギネスにも載っています。
誰でもかかるからといって、安心なわけではなく心疾患や神経痛、糖尿病との関連が深いのです |
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歯周病の初期の段階では歯を磨く時に血が出たり、歯ぐきがムズムズするといった症状しかありません。しかし、歯周病がさらに進行すると歯がグラグラしてきたり、歯並びが悪くなってきたりします。ほとんどの人は、この段階になってようやく「まずい!」と思い歯科医院へ駆け込みます。 |
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が、これでは手遅れです!! |
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自覚症状が出てきているような歯周病では、すでに歯を支えている骨(歯槽骨)の大部分が溶かされてしまっています。
この溶かされてしまった歯槽骨を元通りにすることは現在の最先端技術を用いたとしても非常に難しく、ある程度以上進行してしまった歯周病に対しては、成すすべがないというのが今の歯科医療の現実です。
歯周病の治療は、「健康だったときの状態に戻す」のではなく、「これ以上進行しないようにする」ことが目的です。
ですから、歯周病に関しては特に予防が重要になってくるのです。 |
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健康な歯の状態です。 |
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歯の根元付近に歯石と歯垢が付着し、歯周病の初期の状態です。
この段階で歯石と歯垢を除去しておけば健康な歯を維持することができます。 |
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歯石と歯垢の付着が進行すると最初に歯肉炎(Gingivitis)が起き、それがさらに進行すると歯周ポケット(Periodontal Pocket)ができます。そうなるとプラークコントロールが難しくなってしまいます |
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そしてさらに歯周病が進行すると、周囲の骨が溶かされていきます。 |
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最終的には歯を支えることができなくなり、歯が自然と抜け落ちます。 |
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歯周病は様々な要因が複雑に絡み合って起こりますが、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークはただの食べカスではなく細菌の塊です!
この細菌の産生する毒素が歯周病の発生・進行に非常に大きく関わってきます。 |
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身体の免疫力の低下も、歯周病の進行に大きく関わります! |
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高齢になるにつれて歯周病患者の割合は増えていきます。
これは、身体の免疫力が低下することによって歯周病が進行しやすくなるからです。
また、風邪をひいたり身体が疲れていたりすると免疫力が低下するので、歯周病は進行しやすくなります。
そのため、免疫力の低下が疑われる場合には、より一層歯周病予防に対して慎重になる必要があります。 |
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喫煙をしていると歯ぐきの免疫力や修復機能が低下してしまうため、 タバコを吸っている人は喫煙していない人に比べて、2.1〜4.7倍も歯周病になりやすいというデータがあります。
歯周病の専門家の中には、喫煙をやめない限り歯周病治療が成功することはありえないと断言している人もいます。
しかし、タバコはやめた方が良いと分かってはいてもやめられないという人がほとんどでしょう。
そんな人は、せめて一日の喫煙本数を減らすことからでも始めてみてはいかがでしょうか? |
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糖尿病になると白血球の機能が低下し、さらに唾液の分泌も少なくなってしまうので歯周病になりやすくなります。
糖尿病はインスリン依存型(インスリンの出る量が低下)と非インスリン依存型(インスリンの出る量は変わらないが、インスリンに対する感受性が低下)の2タイプに分けられますが、ほとんどの糖尿病は非インスリン依存型です。糖尿病の治療は運動療法・薬物療法・食事療法などを長い間続けていかなくてはなりませんが、すでに歯周病になってしまっている人は歯周病の治療をすることでインスリン感受性が高まり、糖尿病が改善しやすくなるのではないかとも言われています。(まだ立証はされていませんが・・・)
「歯周病になると糖尿病になりやすくなり、糖尿病になると歯周病になりやすくなる」
この「負の連鎖」を食い止めるために、糖尿病の人は歯周病に対してより一層の注意を払うことが必要です。 |
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以上の病気は、歯周病があると発生する確率が高くなると言われているものです。
歯周病は、実は全身的な病気とも深いつながりがあったのです!
上記に挙げたもの以外にも、歯が無くなることによって痴呆が進行したり、運動能力を低下させてしまうことなども考えられます。
歯周病の脅威は、口の中だけに留まりません! |
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歯周病の原因には色々なものがあるのですが、大きな原因の1つがプラーク(歯垢)です。そのため、まずはプラークコントロール(歯磨き、フロッシングなど)をしっかりと行い、口の中のプラークの量を減らすことが最も重要になります。
また、進行した歯周病の治療を行う際にも、患者本人がしっかりとプラークコントロールをできるかどうかが歯周病治療の成否に大きく関わってきますので、まずは正しいプラークコントロールの方法を覚えて実践することが大切です。 |
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プラークコントロールは歯周病の治療・予防の上で非常に重要なのですが、進行した歯周病はプラークコントロールだけで治ることは絶対にありません! |
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実際に進行した歯周病の治療を行うとなると非常に大変なので、歯周病の症状が出ていなくても年に数回は歯科医院へ行き、歯の検査とメンテナンスを受けることをおすすめします。
また、タバコを吸っている人は、ぜひとも禁煙されることをオススメします!
禁煙が成功すればそれだけで、歯周病で歯を失うリスクが大きく減少します! |
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通常、歯周病というものは35歳頃から少しずつ発症する場合が多いのですが、若いうちから歯周病が発症する場合にはこの侵襲性歯周炎の可能性が高くなります。
※侵襲性歯周炎は、1999年にAAP(アメリカ歯周病学会)により発表された歯周疾患の最新分類での名称です。日本ではまだこの呼び名が徹底されていないので、若年性歯周炎と呼ばれることもあります。 |
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30歳以下の、若い年齢の人にでも発症します。 |
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通常の歯周病よりも急速に進行します。 |
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前歯と6番(第一大臼歯)に限って発症することがあります。(限局型侵襲性歯周炎) |
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家族集積性が見られることがあります。(家族の中に同じような症状の人がいること) |
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一般的な歯周病の治療法ではなかなか治りません。 |
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侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)は通常の歯周病治療だけではなかなか治らない、難治性の歯周病です。患者様ご自身がかなりの意志をもってしっかりと正しいやり方でプラークコントロールすることが必要となります。
症状によっては大学病院の歯周病科を紹介する場合もございます。 |
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まず歯周病チェックです。
当てはまる症状はありますか? |
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治療の第1は、原因である食べかすや、歯垢を取り除くことです。 |
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ブラッシングが最も重要で、軽い歯肉炎などでしたら、2−3週間、丁寧にブラッシングをするだけでかなり改善してきます。ただ、ブラッシングだけでは歯石はとれませんので、歯石を取ることが大切です。 |
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治療の第2は、歯石を取ることです。 |
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歯の周りに固くこびりついた歯石を取り除き、ザラついた歯の表面を滑沢に仕上げることが歯周病の基本的な治療になります。1本1本の歯の表面は、思っているよりも複雑になっています。1回の治療で、歯の周りまわりの歯石が全部とれる訳ではありません。
大きな汚れを取った後、2週間ほど間隔をあけて来院していただくと、汚れの残っている場所は歯肉のはれが残っています。それを目安に何回かに分けて細かい歯石や汚れを取っていきます。
人によっては、数か月かかることもあります。
歯石を歯科医院で取ったからといって、安心してはいけません。
歯石を取っても、ブラッシングをおこたれば、そこから歯垢ができ始め、また
歯石となってしまいます。 |
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治療の第3は毎日のお手入れです。 |
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歯科医院で歯石をとり、きれいになったら終了というわけではありません。
毎日のお手入れこそが大事です。歯周病は生活習慣病なのですから。
歯ブラシはもちろんのこと、補助的な役割をもったデンタルグッズがたくさん発売されています。ご自分が使いやすいものを使って、楽しくホームケアをしていきましょう。 |
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治療の第4は定期的に健診を受けることです。 |
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歯周病は再発の多い病気といわれています。通院していただき、歯石をとってきれいにしてもそれですべてが終了した訳ではありません。歯周病は、おもにお口の中の細菌が原因でなる病気です。
つまり、この細菌を定期的に除去することが、歯周病を予防し、お口の中を清潔にし、健康を保っていくことになります。
毎日のお手入れをしていても、蓄積されてしまう汚れがあります。
お口の中に問題がなくても、半年に一度は定期健診を受けましょう。 |
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